(レビュー)Winning Post 9 2021[ウイポ9 2021] 感想・評価

Winning Post 9 2021は2021年に発売された競馬シミュレーションゲーム。某アニメに影響され、ウイニングポストシリーズを初めてプレイしてみたが、このタイプのシミュレーションゲームは結構好きなので楽しめた。ちなみに筆者がプレイしたのはSwitch版。なおPS4版、PC版も存在している。

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評価点

歴史のロマンを追求可能

プレイヤーは馬主となりレースに競走馬を出走させて賞金を稼ぎ、牧場を経営していくのがこのゲームの基本的な目的だ。史実で登場した馬を買い、自分の馬とすることも可能。もっとも古いシナリオではもちろんレースは史実通りの結果になるとは全く限らないため歴史のIFを自分自身で創造することも可能。これがなかなか歴史のロマン好きにはたまらない点だ。国内だけでなく欧州、アメリカ、豪州、香港、中東のレースに出走することもできるので国境をまたいだ活躍もできる。

あの馬は怪我さえなければ…。あの時期スランプにならなければ…。様々な展開が考えられるが努力次第で多くのIFを実現可能(短距離馬で長距離勝ちとかになるとさすがに厳しいが)。

ディープインパクトで凱旋門賞を制覇するもよし、ハルウララに初勝利をプレゼントするもよし。怪我をしなかったトウカイテイオー、牝馬で牡馬三冠などなど。逆に史実ではライバルだった馬を両方所有することで一度も対戦させないといったことも。

もちろん自分で生産した馬を出走させることもできるので史実では三冠だった馬を無冠のまま引退に追い込むといった離れ業も可能(めちゃくちゃ難しいが)。

競走馬の生産

プレイヤーは牧場経営者でもあるため競走馬の生産も可能。史実馬を使用することももちろん可能であり、夢のような組み合わせをとることも可能。また、史実では早世した馬、騸馬(去勢された馬)であっても自分で所有していればちゃんと繁殖できる。ここでロマンを追い求めるのもよい。

私も血統は全く詳しくないが、かなーり奥が深いことだけは分かる。配合理論を抑えればある程度狙って強い馬を生産していくことは可能だが、強い馬の産駒が必ず強うというわけでもなく、駄馬から突然強い馬が出てくることもある。また、強いからと同じ血統の馬ばかりを所有していくと次第に似たような血統の馬ばかりになって生産がどん詰まりになる。

ただあまりにも難易度が高いと初心者お断りになってしまうがこのゲームは用語集や強い馬ができやすい組み合わせのソート機能もあるため、初心者であってもデビュー戦すらまともに勝ち上がれず…といったことにはならないと思う。

便利なエディット機能

ゲーム内に登場する騎手、競走馬、調教師、馬主、牧場の名前・能力を編集することが可能。

騎手については武豊騎手はじめ、一部の騎手は実名で登場。自分で生産した馬にも乗ってくれるので感慨深い。

とはいえ多くの関係者がゲーム開始時点では偽名になっている。かつて裁判になったこともあるようなので実名収録が困難なのはやむなしだが、エディット機能を使えばモデルとなっていると思われる人物と同じ名前に変えることができる。臨場感が出るので有名どころだけでも実名に変えておきたい。

また、競走馬の能力の一部を編集することも可能なので「俺の好きなあの馬がなぜアイツより弱いんだ!」といった不満がある面倒なファンも安心できる。ただし馬場適正(欧州の芝or日本の芝)は血統で決まるため編集できない点に注意。

絆システム

関係者と仲良くなることで様々な恩恵を受けられるシステムが搭載。

これをつかうと調教師が自分の馬を坂路調教してくれたり友人が競走馬の能力を上げてくれたりする。これを駆使すればステータスが微妙な馬でもG1(もっともレベルの高いレース)はさすがに難しいがG2以下なら運が良ければ勝てるくらいに底上げしてしまうことも。

あと史実ではG1で勝ち負けするにはもう一声たりない騎手でG1勝たせて仲良くなるとなんとなく「よかったなぁ」と感動するw

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不満点

オートが使いにくい

基本的に競走馬生産に伴う配合理論などはプレイヤーにやさしい作りになっているが、まともにプレイしているとかなり時間がかかってしまう。そのためある程度慣れてきたらオートでしばらく時間を飛ばすのが理想だが、レースを飛ばした後も数秒ロードが発生するため、全体としてオートがあまり早くないような気がする。もちろん普通にプレイするよりは早いのだがもう少し早くしてほしい。

また、このオート機能、とんでもない地雷が仕掛けられている。それはゲーム内でオートを使用するとあらかじめ設定していた出走予定を無視することがある。例えば春古馬三冠をとるために

大阪杯→天皇賞春→宝塚記念

を設定したとする。この状態でオート進行するとこの馬がレースを回避し、三冠達成に失敗していることがある。1レースに出走できる馬は4頭までなので回避が出ること自体はやむを得ないのだが、大阪杯・天皇賞春で2冠をとり、怪我なく不調でもない馬が最後の宝塚記念を回避することは不自然に思える(代わりに出てくる馬は当然この馬よりも弱い場合がほとんど)。これで三冠達成に失敗したことが片手では数えきれない回数あった。

次走の決定自体もいい加減で全く適正外の距離に挑戦したり、適正外の芝質の海外競馬場に遠征することを調教師が提案してきたりする。現実でもしばしば起こることではあるが、ゲームなのでこういったところまでは再現しなくてもよいのではないか。どういったプロセスで出走の判断をしているかは不明だが有力馬の場合ライバルよりオート機能が天敵といえるかも。

レースのクオリティ

実際のレースを見ることもできるがこちらのクオリティはあまり高くない。

グラフィックはギリギリ及第点だが、問題なのは馬が意味もなく左右に動くという極めて危険な挙動をすることがよくあることである。実際にこんなことをしていては怪我不可避であるが、このゲームは騎手の負傷や違反行為による制裁はない(実名登場の人もいるので仕方ない)。そのためこのような謎挙動がより目についてしまう。

また、レースを一度見始めてしまうと飛ばすこともできない。出走前の画面でBボタンを押すとレースのスキップではなくレースの閲覧になってしまうことも紛らわしく、操作性に慣れないうちは飛ばそうと思っていたレースを誤ってみてしまい時間を浪費する。

実況もついているがパターンが少ないうえに映像と実況が一致しないことが頻繁にある(Xが粘っていると実況が言っているが映像ではすでに別の馬に追い抜かれている等)。ちょっと物足りないかなという印象。

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まとめ

レースの出来や一部UIは不便な部分もないわけではないが、シミュレーションゲームとしてはかなり面白い。某アニメで競馬を知ったあまり知識がない人でも楽しめるのでこういったジャンルのゲームに抵抗がなければぜひともプレイをお勧めしたい作品。

 

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