ポケモン超不思議のダンジョンはポケダンシリーズの(2019年時点)最新作であり、2015年に3DSで発売されたゲーム。700匹以上のポケモンを使えるボリュームが魅力。
評価はA(名作)
評価点
メリハリのあるシナリオ
コミカル要素とシリアス要素の使い分けがうまい。序盤の日常シーンはコミカルでキャラクター同士の掛け合いが楽しい。一部ではこの作品の下ネタを批判する人もいるらしいCERO「A」だしが肝心な本編でも下ネタは出ることはあるので批判すべき点ではないような気がする。
シリアス面は従来通り中盤以降の出来が良い。主人公たちが強敵に立ち向かうシーンは非常に燃える展開。また、とある人物の真相については驚かされた。終盤はラスボスの正体やラストの結末がDSのポケダンシリーズとは異なる。そのためワンパターンではないということをしっかりアピールできているし、クリア後のシナリオにもきっちりつなげることに成功している。
全ポケモンが使用可能でグラもよい
フーパまでの6世代時点のポケモンすべてを使用することができる。仲間にする条件はダンジョン内で倒すことではなく、お悩みを解決することで仲間になるという仕様に変更。そのためひたすら倒しまくるという運ゲーをしなくてもよくなったのでポケモンコンプリートの難易度はそれほど高くない。ただし、悩みに関しては「遊びにおいで」と言いながら実際に行くと襲いかかってくるというパターンが多く(倒せば仲間になる)、ポケモン不信になる可能性は否定できないw
すべてのポケモンが使用できる点はやはり特筆すべき事項であろう。ポケモンファンなら好きなポケモンでプレイしたいというのは誰しもが思うことだと思う。この時点で700匹以上いるポケモンのグラをすべて作っているのだから恐れ入るものである。しかもグラのクオリリティも高いし言うことなし。
しかし使用ポケモンに関しては問題がないわけではなく…。
育成しやすい環境
控えのポケモンにも経験値が入るのですべてのポケモンを均等に育てやすくなった。しかも新要素「超やる気」のポケモンは冒険時に経験値が増加するので更にお得である。必要経験値が少ないポケモンは気づいたらレベル100になっていることも。これによりレベルをあまり気にせず使いたいポケモンを使いたいときに連れて行きやすくなった。
またドーピングアイテムも非常に手に入りやすく、お気に入りのポケモン1体くらいならステータスをカンストさせることも不可能ではない。ただし得られる経験値は少ないので伝説ポケモンはじめ強力なポケモンのレベルはなかなか上がらず、中盤まではドーピングアイテムもなかなか手に入らないので面倒である点は指摘しておく。
相変わらず魅力的なキャラクター
ポケダンシリーズ恒例。調査団のメンバーは過去作のメンバーに負けず劣らず。そのほかのキャラもいい味を出しているが、過去作と同一人物のキャラが出ているのは非常にいい。色違いのセレビィ、ジュプトルが出るあたりはファンサービスとして最高峰と言えるだろう。
問題点
理不尽な仕様が多く難易度が高い
ダンジョンシリーズ自体難易度が高く死にゲーという側面を否定できない部分はあるが今作はかなり難しい。
まず敵が強すぎる。敵ポケモンは味方を倒すと進化する場合があるが進化されると手が付けられなくなり、復活の種がいくつあっても足りなくなることがあった。ぶっちゃけ敵の攻撃で即死することは普通にある。先手必勝でやられる前にやるしかないが、なぜか同じ敵のはずのヌケニンをたおして進化される場合があり、敵の進化を完全に防ぐ方法がない。加えて敵のAIが賢く、遠距離攻撃を積極的に使用するためこちらも遠距離攻撃ができないと敵に触れる間もなく敗北することもある。
それ以外でもあからさまな初見殺しが設置されている、メガシンカの使い勝手が悪い等、まともな攻略法では歯が立たないので今作で追加された「連携」や「ラピス」頼みになる。しかしラピスはどれが手に入るかランダムなので結局は運ゲーである。
ポケモンの使用制限
主人公とパートナー以外のポケモンは選択画面でシャッターが閉まっており、時々使用できないことがある。ゲーム曰く「ポケモンにも事情がある」とのことらしいがはっきり言って不便でありこういった点までリアルにする必要を感じられない。特に通常通り「事情」がある場合だけでなくホワイトキュレム、ブラックキュレムの材料になっている間も使用不可能なため、レシラム、ゼクロムは使用不可になりやすい。
せっかく全ポケモンが使えるのだからこの仕様はもったいないと思った。
移動が面倒
別の大陸のダンジョンに行くためにはわざわざラプラスに乗って大陸を移動しなければならない。これが地味に面倒。一応全ダンジョンに入る(クリアしなくてもよい)ことで拠点からすべてのダンジョンを選択できるようになるが最初からこの仕様でよくない?
まとめ
すべてのポケモンが3Dグラフィックで登場し使用できる点は最高だが、これに制限をくわえるシャッターの存在等理解に苦しむ点もある。過去作キャラクターの登場などファンにはうれしい仕様もあるが全体的に難易度が高い。全体的にはいい作品だとは思うが、ポケモンのメインターゲットである児童層には少々厳しいかなという印象。
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