(レビュー)ポケモン不思議のダンジョン空の探検隊 感想 パワーアップしたポケダン

ポケモン不思議のダンジョン空の探検隊は2009年にDSで発売されたゲーム。前作同様シナリオの完成度の高い作品として有名でり、ポケモンダンジョンシリーズの正当進化と言える。

評価はS(神)

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評価点

前作以上に素晴らしいシナリオ

「ポケダン赤・青」も良作だが本作のシナリオはさらにパワーアップしている。元人間のポケモンが主人公という点は前作と同じで、その他シナリオの大まかな流れも類似点はある。しかし、キャラクターの心情描写や中盤以降の急展開っぷりは前作を超えている。とくに中盤以降のシリアス展開と主人公とパートナーのラストはかなり引き込まれる展開で、クリアするまで休憩するのをやめたくなるレベル。

エンディングで泣けるのは前作同様。シナリオに関してはすべてのゲームの中でもトップクラスなのではなかろうか。

キャラクター

パートナーだけでなく、主人公の所属するギルドの仲間をはじめキャラクターはかなり魅力的。地味になりがちな御三家中間進化であるジュプトルが人気なのは本作のおかげなんじゃないかと思ったりもする。

幅広いキャラをそろえておきながらプレイヤーを不快にさせるキャラはほとんどおらず、シナリオライターの高い技量をうかがわせる。悪役に関しても一部畜生なキャラもいるが改心したり、報いを受けたりすることが多く、しっかりフォロー?されている。

一方で某伝説ポケモンのようにネタキャラ化してしまったキャラもいるがもともと映画の段階でそんな扱いであり、かえってネタにされる分よかった…かもしれない。対戦ではあまり活躍できないのでなおさらである。

グラフィックは高水準

ドットの出来は最高峰。アルセウスを除く第4世代のすべてのポケモンが登場し、前作同様眠り状態のグラもある。加えて顔グラも全ポケモンに用意された。

雌雄の違いがある場合はその差まで再現されており、細かい部分まで行き届いた素晴らしい出来。DS最後のダンジョンシリーズとして申し分なし。

スペシャルエピソード

スペシャルエピソードでは主人公以外のポケモンを掘り下げた短めのシナリオになっている。もともと魅力的なキャラクターをさらに磨き上げたシナリオである。

エピソード自体も短めとはいえダンジョンが難しいものもあり、攻略に数時間単位要するものもある。地味にボリュームがある。

BGMがいい

BGMの出来が例によって高い。単体としてみても素晴らしいが、ストーリーと合わさるとそのクオリティがさらに上昇すること間違いなしである。個人的に好きなのは、みはりばんのBGM。ふんわりしている感じで好き。クリア後にも意外な場所で流れるのも○。

しかも「空」ではBGM鑑賞モードが存在するのですきなBGMを再び聞くことができる。前作のアレンジやメドレーもあるがどれも前作のイメージを壊していない良アレンジ。

問題点

不便な・不可解な仕様

倉庫に預けられるアイテムが原則1つずつカウントになった。つまりオレンのみならひたすら「オレンのみ、オレンのみ…」と並ぶためページ送りがだるくなる。そのためいらない道具は売るなりリサイクルなりしないと邪魔で邪魔で仕方がない。しかし、リサイクルのおみくじで大当たりを引いた時の演出が2回目以降も飛ばせないという地味な嫌がらせもある。ルンパッパのダンス自体は悪くないが毎回同じなので飛ばせる仕様にしてほしかった。

前作では99個までまとめてカウントしてくれたのに…。この畜生すぎる仕様変更は倉庫番のガルーラが数年後にメガシンカで犯罪者になることの伏線だった可能性?

ダンジョン内のポケモンの汎用台詞が違和感ありまくり。見た目がごついポケモンでも丁寧に話していることもあり明らかにあっていない。全員専用会話にしろとは言わないがもう少し工夫がほしかった。

戦闘バランスに関して

戦闘バランスは極端に悪いわけではないが気になる点は存在する。

味方のAIがアホでPP切れの技を使おうとする、フロア中のポケモンがおんねん状態(技で倒されるとそのわざのPPを0にする)になるおんねんスイッチ、護衛のポケモンが弱い(クレセリア。原作での耐久力がうそのようにやられまくる)、全体攻撃が強すぎるなど。とくに全体攻撃に関しては放電あたりで葬り去られるのは通過儀礼と言ってよい。モンスターハウスで全体攻撃使いと出会うと普通に死ねる。

ちなみに私はゼロの島シリーズはコンプリートできんかった模様。

まとめ

シナリオ、BGM、グラフィックは高水準で戦闘バランスも崩壊までは、いっていないためほとんど隙のないゲーム。

ポケモンシリーズファンに限らず、ゲーム初心者から上級者まで幅広くお勧めできる優れたゲーム。

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