(レビュー)モンスターハンターストーリーズ 感想

モンスターハンターストーリーズは2016年に3DSで発売されたゲーム。モンスターハンターシリーズにしては珍しいRPG作品でオトモンと呼ばれるシリーズで登場したモンスターを使用することができる育成RPGで育成RPG好きの筆者も満足のクオリティであった。

評価A(名作)

なお情報はv1.3のものである。

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評価点

良質なグラ&モンハンシリーズのモンスターと冒険できる点

やはりこの点は大きいかと。シリーズでは狩猟する相手だが、今作では仲間としてともに戦うことができる。私はモンスター育成RPGが好きなのでこういったシリーズ本編では敵だが仲間にすることができる外伝作品というのは大変ありがたいと思う。モンスターにはライド(=乗る)ことができ、一緒に冒険をしているという雰囲気は非常にでかい。フィールドをンスターに乗って駆け回るさまは感動を覚えるし、こういったファンタジーの世界でモンスターと一緒に暮らしてみたいものである。

グラフィックも3DSのゲームの中ではかなり頑張っている。人間キャラはデフォルメされているがモンスターはあまりデフォルメされておらず、出来るだけ原作通りにしようとしている。特定の攻撃前の動作など細かい動きもよく再現されていて、技の迫力も本来は大型モンスターなだけあって素晴らしい。ライドできることも考えるとモンスターのクオリティはポケモンをはじめとしたモンスター育成RPGのなかでも優秀な部類なのではなかろうか?かわいいモンスター、かっこいいモンスターを眺めているだけでも十分楽しい。

王道のシナリオ

公式が売りにしているだけあってクオリティは高い。キャラクターの描写も丁寧であり、主人公やその周辺の成長、主人公の職業?であるライダーと従来から登場しているハンターの融和がうまく書かれていたと思う。全体的に陳腐さを感じさせるのではなく王道には王道たる理由があることが感じられるシナリオ。

公式がネタバレ規制を行っているらしく、シナリオに関しては詳細な内容を書くことは避けようと思うが質は保証されているといってよい。

戦闘・育成システム

戦闘はターン制バトル。モンスター固有の属性に応じて有利不利があるというオーソドックスなものである。くわえて3種類の攻撃パターンのどれを選ぶかといった駆け引きがありうまくいけばバトルをかなり有利にできる。モンスターによって出しやすい攻撃パターンが決められているため敵の出方をよく観察するという着眼点はシリーズの特徴をうまく落とし込めている。もちろんごちゃごちゃ考えずレベル上げでごり押すことも可能なのでアクションが苦手で原作のモンハンは難しかったよという人でも安心。モンスターによって実力差はかなりあるがシナリオクリアまでなら滅茶苦茶レベルを上げればどのモンスターでもクリアできる…はず、多分。

育成は別のモンスターから遺伝子を引き継ぐことでカスタマイズするというシステム。基本的には本来通りの属性や戦い方を伸ばすのが得策であるが、水使いのリオレウスといった真逆の属性にしてしまうことや脳筋のティガレックスを状態異常を駆使しまくるテクニカルな嫌がらせ特化タイプに変えることもできる。特に属性変更はモンスターの見た目、技の演出も変わるため新鮮かつ芸が細かい。通常型以外にももう1匹育成したいと思わせてくれる。育成の自由度はかなり高いといえるだろう。ただ理想のモンスターを作ろうとすると遺伝子継承には枠があり、無制限に継承できるわけではないのである程度妥協は必須。好みの遺伝子を持つモンスターって探してる時に限って出ない

やりこみ要素

クリア後も上位モンスターの出現をはじめやりこみ要素は多め。とくにクリア後ダンジョンは相当レベルを上げないと結構きついところもある。

またDLCも豊富であり、新しいダンジョンやオトモンが追加されている。追加ダンジョンも難易度は高めなのでこれらの要素を全部やりきろうとしたらおそらく初見なら100時間はつぶせるだろう。

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不満点

移動や操作性に難あり

フィールドが広い分移動がかなり遅く感じる。とくにオトモンにライドできない街ではライダーの徒歩移動なので特に遅く感じる。ドラクエモンスターズジョーカー1の主人公かな?このゲームはクエスト達成報告のために街を何回も往復しなければならず、かなりの時間が消費される。顕著なのはサブクエストで依頼人が下画面に表示されないので依頼人の場所を忘れると街中を歩きまわる羽目に。人によってはお使い感を増幅させてしまうかも。

また操作性も探しているオトモンの遺伝子を検索する機能がないため総当たりで調べる必要があり、継承に無駄に時間がかかる。厩舎のオトモンもお気に入り機能や種族による並べ替えはあるがモンスター1匹1匹を並べ替えることはできない(ポケモンでいうボックス整理ができない)。設定でスタートボタンにパーティ切り替え機能を付けることができるがデフォルトではなぜか未設定と微妙に不便。

仲間にできるオトモンが少ない&敵専用モンスターが多い

モンスター1匹1匹のクオリティは非常に高い反面、登場するモンスターはかなり少ない。オトモンは亜種等色違いモンスター込みでも総数150未満で数だけなら20年前のポケモン初代すら下回っている。素材としては登場するのにモンスターとしては敵味方いずれも登場しないガノトトス、夫はいるのに未登場のナナ・テスカトリあたりは泣いていい。この質を維持するためには止む無しかもしれないが欲を言うともう少し増やしてほしかったのも事実。

また、敵専用モンスターが育成RPGにしては多い印象。ランゴスタのような小型モンスターはともかくダイミョウザザミやアグナコトルといった一部大型モンスターも仲間にできない。こうしたモンスター育成RPGの醍醐味は、非常に強力なモンスター(ポケモンでいう伝説のポケモン)や敵として出てきたモンスター(DQMでいう歴代の魔王)も人間である主人公が仲間にできる点だと個人的には思っている。ゆえに敵専用モンスターは少なければ少ないほど良い。一部モンスターはシリーズの設定上仲間にできたらマズイという側面もあるのだろうが外伝作品なので育成RPGの魅力とうまく折り合いをつけてほしかったところではある。

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まとめ

育成RPGとしては手堅く、過去の他育成RPGとも差別化はできている。モンスター数や操作性等の問題点は1作目ゆえの欠点とも言え、是非とも続編を見たいところだが…スマホでシリーズRPG続編が出てしまったのでコンシューマの新作は望み薄である。ここで終わらせてしまうにはあまりに惜しいと思う。

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