ウマ娘裁判はなぜ削除されたのか原因を考察する

人気を博していたウマ娘と逆転裁判をコラボさせたパロディ動画『ウマ娘裁判』が削除されてしばらくたったが、その理由については混沌としている。関係者が真実を語るとは思えないため詳細は闇の中と言わざるを得ないが、既存の情報から私なりにその原因を考察する。

なお本記事は削除された理由の考察が目的であり、関係者を批判することが目的ではないことをあらかじめ断っておく。

スポンサーリンク

背景BGMの使用は名目であろう

動画作者の小磯臼氏によれば直接的な削除の原因は背景・BGMの流用が原因であり、CAPCOM側からの申請だったようである。

しかし、これは表向きの理由であって真の理由ではないと思われる。なぜなら逆転裁判の著作権を侵害したパロディ動画は他にもありふれているからである。もし背景やBGMが原因であるとするならば他の動画が削除されないのは不自然である。この動画同様、かなりの再生数がある動画も含まれているため逆転裁判パロディの存在を認知していなかった可能性もゼロと言ってよいだろう。

この動画が消された理由にはなってもこの動画のみが消された理由にはならないため純粋に背景BGMが原因で削除申請したとは考えにくい。

馬主への配慮説も疑わしい?

ウマ娘は極めて二次創作に敏感なコンテンツとして知られている。それはキャラクターの元になった競走馬の所有者は資本家階級であり、彼らに配慮しなければならないからという論理である。この点からCAPCOMが馬主へ配慮し、ウマ娘裁判を削除したという意見もネットで検索すればよくみられる。言い方を変えれば『ウマ娘』だから駄目だということもできるだろう。

しかし私はこれは疑わしいと思う。なぜならCAPCOMにしてみれば別に逆転裁判に競走馬を登場させたわけでもなく、競走馬のイメージを侵害したという事実は皆無である。本シリーズに競走馬のイメージを悪化させる表現があってもその責任はCAPCOMではなく、ウマ娘裁判の作者である。CAPCOMは著作権を侵害された被害者であり、馬主から訴えられるとは考えにくいし、訴えられてもCAPCOMが裁判で負けるようには思えない(私は法学は専門外なので偉そうなことは言えないが)。というかもしこの動画が原因でウマ娘シリーズが終了したなら競合他社の有力シリーズが終わったという点でむしろCAPCOMの利益にすらなり得る。

裁判の勝ち負けではなく訴訟リスクそのものを嫌ったのだというならば「モノ」である競走馬がモチーフになっている『ウマ娘裁判』よりも実在する「ヒト」がモチーフになっている『佐村河内裁判』などの方がリスクが高そうに思える。後者は『ウマ娘裁判』同様、投稿時にはかなり話題になり、すでに100万回以上再生されているが2021年6月18日現在削除されていないことを考えるとやはりこの説は疑わしい。

そもそも競走馬のイメージ悪化防止やコンテンツの存続のために馬主へ配慮するという観点から削除するなら逆転裁判側のCAPCOMではなく、ウマ娘側の著作権者であるCygames側からいち早く申請が出されるだろう。

次からは、私が削除された原因として考えられるものを上げていく。

スポンサーリンク

競合他社の宣伝になってしまう

本動画は逆転裁判のパロディ動画だが、登場人物はすべてウマ娘サイドである。インターネット上でも逆転裁判の動画というよりはウマ娘の動画という側面で拡散される傾向が強かったように感じる。

この状況下ではこの動画が有名になればなるほどウマ娘の知名度ばかりが上昇していく。これは逆転裁判側のCAPCOMからすれば許容しがたい事態であろう。作者にその意図はなかったにせよ、結果的に自社の作品が競合他社の宣伝に利用されてしまっているに等しいからである。加えてこの動画は知る人ぞ知るマニアックな動画というわけではない。何十万回も再生されていた勢いのあるタイムリーな動画でウマ娘シリーズに対する宣伝効果抜群である。削除するならタイミング的にも今しかない。この点が過去に挙げられたパロディ動画との違いになっている可能性がある。

作者の利益につながるかも

この動画が作者の利益につながった可能性も注目すべきポイントだろう。動画は削除されてしまったためこの動画に広告が貼られていたかどうかは確かめられない(多分なかった気がする)が、作者はPixivFANBOXやSkebといった支援サイトのアカウントがあるようだ。実際未完となってしまった『ウマ娘裁判』のプロットをFANBOXに公開している。

前述のとおり、この動画はかなり再生数が多かった動画なのでこれに直接広告を貼らなくてもチャンネル登録者や支援者が増えることによって作者の利益につながる可能性は大いにあり得ることである。これといって利益に結びついていないならお目こぼしもあるかもしれないが背景やBGMの類を直接利用した二次創作による利益は許容するのは難しいのではないか。特にこの動画は更新中のシリーズであったため、見過ごすことで将来的にも大きな利益が生じうる。この点ですでに終了し再生数増加がほぼ望めない既存のシリーズや再生数の低いシリーズとは違いがある。

個人的にはプロットを支援者限定公開にしないあたり、作者の良心が垣間見れて好印象なのだがそこは利潤を追求する企業、温情はしないということなのだろう。

まとめ

この動画が極めて有名になってしまったという条件のもと競合他社の宣伝、作者の利益につながるという点が削除に至った理由ではないだろうか。

なお繰り返すこの記事は関係者を批判することが目的ではない。とくにCAPCOMは正当な権利を行使しただけである。確かにこの動画だけ消されるというのは不平等で興ざめに感じるのも理解はできるが一企業として当然の行動だったことは理解するべきであろう。

まぁ個人的にはCAPCOMにはモンハンストーリーズ2あくしろよと言いたいのだが。

コラム
スポンサーリンク
シェアする
みるをフォローする
みるのゲームブログ

コメント