テレビゲーム総選挙 順位のまとめと感想(突っ込みどころ)

2021年12月27日に放送されたテレビゲーム総選挙という番組の順位結果とこの番組に対する感想などを書いていきたいと思います。

皆様の好きなゲームは入っていましたか?

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順位のまとめ

最初に100位~71位と70位~41位です。

71位以上は番組では個別に内容を紹介することなくさらっと流してしまいましたが、無数にあるゲームの中で100位ですからここら辺でも豪華なメンツですね。このなかでは「カービィのエアライド」はもっと上位だろうと予想していただけに意外でした。

40位~11位です。

定番のシリーズものからテトリスのような古き良き名作までランクイン。番狂わせだと思ったのは「ドラクエ4」。個人的に好きな作品ですが、最新作の「ドラクエ11」よりも上に来たのは大健闘かなと思いました。

最後にベスト10です。

注目すべきは「クロノ・トリガー」と「FF10」。トップ10は有力シリーズの続編にあたるゲームでしめられていますが、唯一「クロノ・トリガー」だけがシリーズ1作目です。現在は続編が発売されていないシリーズということも考えると支持の厚さがうかがえます。また「FF10」以外は最新ハードのゲームかいわゆるレトロゲームです(「FF7」はレトロかといわれると意見が分かれそう?)。PS2のゲームは新しいかと言われれば新しくなく、かといってノスタルジーを感じるほど古いゲームではないと思います。この手の投票では不利でしょうから9位というのは快挙でしょう。

以下ではこの番組の傾向や感想&突っ込みを書いていきます。

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「テレビゲーム」の定義は?

「テレビゲーム総選挙」という番組名ですが、「テレビゲーム」の定義が不明瞭ではないでしょうか。製作者としては主にスマホでプレイすることが想定されている、いわゆる「ソーシャルゲーム」を除外するためにこの言葉を持ち出したのでしょう。実際に本番組でソシャゲは一つもランクインしておりません。ランキング上位のゲームを見るとソシャゲの存在を一切認めないコアゲーマーにばかりアンケートを取ったとは考えられません。おそらくソシャゲは無効票にしていたか設問の段階で記述しないように要請していたのでしょう。

しかし「オンラインゲーム」である「ドラクエ10」や「FF14」はランクインしています。「ソーシャルゲーム」と「オンラインゲーム」の違いについて、ここでは省きますが「ドラクエ10」や「FF14」はPCでプレイしている人も少なくないでしょうし「テレビゲーム」という言葉でこれらの区別ができるとは思えません。

またゲームボーイなど携帯機のゲームはテレビを使わないのでこちらも「テレビゲーム」かといわれると微妙な気がします。このあたりの説明はしてほしかったところです。

明暗分かれたシリーズもの

全体的にシリーズものが強いです。売れれば続編が作られるので当たり前と言えば当たり前ですが。とくにスクエニの「FF」「ドラクエ」、任天堂の「マリオ」「ポケモン」「ゼルダ」は上位にも食い込んでおり存在感がありました。「マリオ」はジャンルが違いすぎて一概に比較はできないかもしれませんが(マリオカートとスーパーマリオブラザーズ3を同じジャンルという人は少ないでしょう)。

ただし、シリーズものでも明暗が分かれたと思います。ポケモンシリーズは100位内に8作品もランクインしていますが上述した5シリーズの中では唯一トップ10入りを逃しています。個人的に意外でした。ポケモンシリーズは「世代」という言葉が使われるようにゲームの質よりも自分が小学生くらいにプレイしたゲームを評価する傾向が強く年齢によって票が分散してしまったのが原因だと思います。例えば30代の人は1996年発売の「赤・緑」に投票するでしょうが2010年発売の「X・Y」にはほとんど投票しないでしょう。リメイクが別の作品としてカウントされているのも振るわなかった原因かもしれません。

また、ゲーマーなら名前を聞いたことがあって当然のシリーズでもランクインできないものがありました。「ソニック」、「逆転裁判」、「メトロイド」、「ボンバーマン」、「ロックマン」などたくさんあげられます。票の分散やサンプルの偏りもあるでしょうが、名の知れたシリーズなら容易に入れるほど甘いランキングではないということでしょう。

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RPGやアクションゲームが中心

ジャンルはRPGやアクションが中心です。シューティングや格闘、パズル、SLGなどは本当にごく一部の有名作品のみのランクインでした。ADVなどは一本もランクインしていません(ADV要素があるものはランク入りしていると思いますがメインというのはないでしょう)。「FF10」のキスシーンを流すくらいなのでいわゆる「ギャルゲー」や「乙女ゲー」は政治的理由から除外されたわけではなく、単純にランキング入りできなかっただけでしょう。

また国内のゲームが多数です。洋ゲーも一部ランクインしていますが「グラセフ」シリーズなどは入っておらず、洋ゲーには厳しいランキングだったといえるでしょう。インタビューでは外国人にも意見を聞いていましたが、メインは日本人であったと考えられます。日本の番組ですから当然と言えば当然ですが。

アニメや漫画など原作付きのゲーム、いわゆるキャラゲーも不振でした。元から当たり外れが大きいので仕方ないでしょう。

古典=ランクインというほど単純ではない

ゲームの教科書があれば載っていいような古典的作品もランク外になっています。黎明期のゲームである「スペースインベーダー」、ドラクエなどにも影響を与えたとされる「ウィザードリィ」、モンスター育成ゲームの先駆け的な「女神転生(ペルソナは入っていました)」、サウンドノベルの先駆け的な「弟切草」などです。

投票者は歴史的な意義よりもまずはプレイしたことがあるかどうか、面白いかどうかを基準にしていたということでしょう。上記作品が面白くないと言いたいわけではありません。私自身も知っているだけでプレイしたことはない(というか発売時点では生まれてすらない…)ので投票するかというと微妙ですし歴史的意義という観点で多くのファンが投票するということではないというだけです。

実際問題、「面白い小説を挙げよ」といわれて「源氏物語」を挙げる人は少ないと思うのでゲームにおいても仕方ないかなという気がしますね。

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一部の会社への忖度?

会社別でいうと国内大手でもセガはランクインが少なかった印象です。「ぷよぷよ」や「ペルソナ(子会社の作品ですが)」くらいであり、「ソニック」や「龍が如く」、「サクラ大戦」といったシリーズは入っておらず、セガがかつて展開していたゲームハードにも触れられませんでした。セガは泣いていいと思います。ソニーもハードメーカーとしては存在感がありましたが、発売元としては「グランツーリスモ」くらいで「アンチャーテッド」「サルゲッチュ」、「ラチェクラ」、「ぼくのなつやすみ」など年代問わずランク外になっております。

一方で任天堂は多くの作品がランクインしており、忖度ではないかという意見もネットでは見られました。確かに当選したゲームに多少の偏りは見受けられるかもしれません。しかし任天堂も「ピクミン」や「メトロイド」などが当選できませんでした。とくに後者はつい最近新作が出たばかりであり忖度するならぜひともランクインさせたいゲームです。これらから大規模な忖度があったとは考えられないと思います。

マイナーゲームの締め出し?

「マイナーゲームが締め出されている!」という意見もネット上ではありました。これに関してはその通りだと思いますが、これを批判することは筋違いです。なぜならこれは選挙だからです。名作でもマイナーな作品はランクインできるはずがありません。人柄が良くても泡沫候補は選挙で当選できないのと一緒です。選挙という時点でマイナーゲーが極めて厳しいのは自明です。

マイナーゲームをランクインさせるには投票でライトユーザーを排除したり投票ではなく有識者による選出にしたりすればよいでしょう。とはいえライトユーザーを意図的に排除する制限選挙というのも奇妙ですし、有識者による選出は選挙以上に過程が極めて不透明で数値化できる投票よりも忖度天国になりかねません。それに番組で取り上げられたら「マイナーゲーム」は「マイナーゲーム」ではなくなってしまうかもしれません。

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