(レビュー)ちびロボ!感想 子供向けと思って侮るなかれ

ちびロボ!は2005年にゲームキューブで発売された作品。主人公のちびロボ(お手伝いロボット)になって人々を幸せにするのが目的だが子供向けとは思えないほどよく作りこまれたゲームである。

評価はA(名作)

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評価点

探索の楽しさ

ちびロボは家の中を自由に動き回り、ゴミを拾ったり、悩みを聞いたりしてハッピーを集めていくのが目的である。最初はちびロボのエネルギーがクソしょぼく家の中を満足に歩き回れないが、少しずつバッテリーが強化されたり、追加アイテムが手に入ったりして行動範囲が広まる。新しい部屋に行けるときのわくわく感は結構ある。

部屋もかなり作りこまれているし、行くのが難しいような場所もある。アイテムも拾った後どこで使うべきなのかは考えねばならず、地味に頭をつかうゲームである。探索のし甲斐は抜群。

ちびロボが倒れても一日が終わるだけで他のペナルティーはないためゲームが苦手な人でも何度も何度も探索をしていれば先に進めることは可能だろう。ハッピーをためていけば倒れる回数もグッと減らせるし、初心者への配慮も行き届いている。

昼と夜で起こるイベントや登場人物が変わるので、同じ場所でも2度おいしいのもプラス評価。フィールドは広く(ちびロボが小さいとも)、かなりボリュームのあるゲームである。

魅力的なキャラクターたち

人間の登場人物は基本的にサンダースン家の3人だけ。しかしサンダースン家のおもちゃは意志を持って動く(人には見つからないようにしているが)ため非常にたくさんの魅力的なキャラクターが存在する。

おもちゃなのになぜか子供を産むことができる怖がりのピーツ姫、関西弁のTOYレックス、いかにもな軍人といった性格のアーミー軍曹など濃いキャラばかり。一人くらいは必ず好きなキャラが見つかると言っても過言ではない。一方であからさまに不快な態度をとるようなキャラは、ほぼいないのでそういった点でも快適である。

個人的に好きなのはトンピー。てりやきブルースという歌が持ちネタ(披露する機会は少ないが)のちびロボの相棒。

作りこまれたシナリオ

あらすじだけ見るとシナリオはあってないように見えてしまう本作だがシナリオはしっかり作られていて、他のほのぼの系ゲームとは異なる。

サンダースン家のおもちゃが動く理由や倉庫で朽ち果てているデカロボ、ちびロボを襲うスパイダーの謎が、行動範囲が広がりとともに少しずつ判明していくのはシナリオの見せ方として素晴らしいと思う。子供向けゲームにありがちな刺身の上のタンポポのような薄っぺらいシナリオではない。

本筋に関係ない各キャラのサブシナリオもたくさんある。おもちゃたちにも色々な事情があり、クリアすると大量のハッピーをゲット出来るので積極的に狙いたいところ。

問題点

移動が遅い

進めていけばワープが使えるようになり移動の手間は省けるようになるが徒歩の動きはあまり速くない。夕方と明け方には拠点に戻されてしまうので高所など行くのに時間がかかる場所の探索は要注意。

ワープ自体も任意の場所にできるのではないので結局ある程度は歩かねばならない。ちびロボの足音がかわいらしいのが唯一の救いである。

スパイダーの出現条件

スパイダーという敵キャラがおり、オイルで汚れているところに出現するとゲーム中では言われているが汚れていても必ず出現するわけではないし、汚れていなくても出るときは出る。こいつを倒したときのアイテムを材料にしないと作れない設備もあるので材料が足りない時はモヤモヤする厄介な点である。

なお出現時は突然音楽が変わるためビックリする。演出としてはありだが微妙に心臓に悪い。

ロード

1回1回のロード時間は短くはないものの我慢できるレベルである。しかし部屋移動のたびにロードが挟まれるので合計すると結構な時間が持って行かれる。このゲームは結構ボリュームがあるだけになおさらである。一応ロード画面にはちびロボのシルエットが表示されるがロード時間をつぶすにはヒントを出すとかいろいろなキャラを出すとかもう一工夫してもよかったかも。

まとめ

どうぶつの森みたいな実質的にクリアのないゲームを想像していたらしっかりシナリオ作りこまれていた良作でうれしい誤算だった。子供やゲーム初心者以外でも幅広く楽しめる作品。

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